2-2-(2). アミノ酸・たんぱく質・糖質・脂質・核酸の構造と機能

糖質の構造と機能

 糖質は生体内でエネルギー供給や構造的な役割を果たす重要な分子です。アルドースとケトースの種類や光学異性体、糖のアノマー構造、糖の分類や代表例、糖の誘導体、多糖類に関する情報を表を用いて詳しく解説します。

アルドースとケトースの意味と代表例

タイプ意味と代表例
アルドースアルデヒド基を持つ単糖類。例: グルコース、リボース
ケトースケトン基を持つ単糖類。例: フルクトース、キシロース

光学異性体(L型、D型)

タイプ意味と代表例
L型レボ型の光学異性体。
D型デキストロ型の光学異性体。

グルコースのアノマー(α型、β型)

タイプ意味と特徴
α型グルコースのアノマー構造のα位にOHが向かう。
β型グルコースのアノマー構造のβ位にOHが向かう。

単糖類(ペントースとヘキソース)

種類代表的な糖
ヘキソースグルコース、フルクトース、ガラクトースなど
ペントースリボース、デオキシリボースなど

二糖類のスクロース、マルトース、ラクトース(構成単糖類、還元性)

二糖類構成単糖類還元性
スクロースグルコース + フルクトースあり
マルトースグルコース + グルコースあり
ラクトースグルコース + ガラクトースあり

糖の誘導体のウロン酸、アミノ糖、糖アルコール、グルコン酸(定義と代表例)

糖の誘導体定義と代表例
ウロン酸アルドン酸から派生した酸。グルクロン酸、アイソウロン酸
アミノ糖アミノ基が含まれた糖。グルコサミン、ガラクトサミン
糖アルコール糖のアルデヒド基またはケトン基がアルコールに還元。
グルコン酸グルコースが酸化された誘導体。グルコン酸、ガルクトン酸

多糖類の種類と代表例

ホモ多糖類

 ホモ多糖類は、同じ種類の単糖類が結合して形成される多糖類です。主にエネルギー貯蔵や構造的な支持を担当します。

種類特徴と代表例
グリコーゲン動物のエネルギー貯蔵。肝臓や筋肉に存在し、必要なときにブドウ糖として放出。
デンプン植物のエネルギー貯蔵。アミロースとアミロペクチンから成る。
イヌリン植物の根に存在するエネルギー貯蔵物質。フルクトースから成る。
キチン昆虫や甲殻類の外骨格を構成。N-アセチルグルコサミンから成る。

ヘテロ多糖類

 ヘテロ多糖類は、異なる種類の単糖類が結合して形成される多糖類であり、細胞外マトリックスや結合組織の構造を保持する役割を果たします。

種類特徴と代表例
ヒアルロン酸細胞外マトリックスで水分を保持。軟骨や皮膚に存在。
コンドロイチン硫酸軟骨や結合組織の主成分。軟骨の弾力性と保水性に寄与。

まとめ

 これらの多糖類は、生体内での重要な役割を果たすだけでなく、健康維持や疾病の理解にも貢献しています。その多様性と機能を通じて、糖質が生体内で果たす役割がより一層明らかになっています。