第35回管理栄養士国家試験問題~人体の構造と機能及び疾病の成り立ち~

第35回管理栄養士国家試験 人体の構造と機能及び疾病の成り立ち 人体の構造と機能及び疾病の成り立ち

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解答  (1)
(1)細胞膜には、コレステロールが含まれる。
×(2)リボソームでは遺伝情報の翻訳が、核では転写が行われる。
×(3)プロテアソームでは、たんぱく質の分解が行われる。
×(4)リボソームではたんぱく質の合成が、mRNAではグリコーゲンの合成が行われる。
×(5)ゴルジ体ではたんぱく質の修飾が、電子伝達系(ミトコンドリア内膜)では酸化的リン酸化が行われる。

解説
(1)細胞膜(生体膜)はたんぱく質と脂質から構成され、脂質の主成分はリン脂質で、このほかにコレステロールや糖脂質も含んでいる。リン脂質は二分子で膜を構成し(脂質二重層)、リン脂質の疎水基が膜の内側、親水基が膜の外側になるように規則的に並んでいる。コレステロールは膜の疎水性の部分に存在し、膜の流動性に関わる。

(2)遺伝情報はDNAに記録され、核内に存在する。核で必要な部分がRNAポリメラーゼによってDNAからRNAに転写され、転写されたRNAは細胞質に移動し、リボソーム上でRNAの情報はたんぱく質に翻訳される。

(3)生体内で不要になったり変性したりしたたんぱく質が分解されるシステムには、細胞内小器官のリソソームによって分解されるリソソーム系と、プロテアソームが関わるユビキチンープロテアソーム系がある。ユビキチンは小型のたんぱく質で、細胞内で不要になったたんぱく質にATP依存的に結合する。ユビキチンが多数結合し、ポリユビキチン鎖をもったたんぱく質は、プロテアソームによって認識されATP依存的に急速に分解される。

(4)リボソーム上で、DNAから必要な情報を転写したmRNAのコドン(3つ組塩基)に対するアミノ酸をtRNAが結合して運んでくることによって、ポリペプチド鎖(たんぱく質)が合成される。グルコースが多数結合した多糖類であるグリコーゲンは細胞質で合成される。この場合のグルコース付加体はUDP-グルコースである。

(5)酸化的リン酸化とは、ミトコンドリアで起こるATP産生のことである。ATPはADPをリン酸化することによって生じる。酸化的リン酸化(電子伝達系)に関わるたんぱく質は、ミトコンドリアの内膜に存在する。ゴルジ体はたんぱく質の修飾に関わり、糖不可や脂肪酸不可などの反応が起こる。

解答  (2)
×(1) ロイシンは分岐鎖アミノ酸、トリプトファン・フェニルアラニン・チロシンは芳香族アミノ酸である。
(2) c ─アミノ酪酸(GABA)は、神経伝達物質として働く。
×(3) a ヘリックスは、たんぱく質の二次構造である。
×(4) たんぱく質の二次構造は、水素結合により形成される。
×(5) たんぱく質の四次構造は、サブユニットにより形成される。

解答  (3)
×(1) 複合脂質である。
×(2) 小腸粘膜上皮細胞で合成される。
(3) 胆汁に含まれる。
×(4) 生体膜の主要な有機成分である。
×(5) ホスホリパーゼで分解される。

解答  (2)
×(1) アポ酵素は、単独で酵素活性を持たない。
(2) 酵素たんぱく質のリン酸化は、酵素活性を調節する。
×(3) 律速酵素は、ある代謝経路において最も遅い反応を触媒する酵素である。
×(4) リパーゼは、トリグリセリドを分解する。
×(5) プロテインホスファターゼは、グリコーゲンを合成する。

解答  (2)
×(1) ドーパミンは、チロシンから生成される。
(2) バリンは、糖原性アミノ酸である。
×(3) ヒスタミンは、ヒスチジンの脱炭酸反応により生成される。
×(4) ペントースリン酸回路は、NADPHを生成する。
×(5) コレステロールは、生体のエネルギー源にはならない。

解答  (4)
×(1) 体の水分は、全体重の 60% になるように保たれている。
×(2) 動脈血の pH は、7.4になるように保たれている。
×(3) 交感神経と心筋の間の神経伝達物質は、アセチルコリンとノルアドレナリンである。
(4) コルチゾールが副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(CRH)の分泌を抑制するのは、負のフィードバック機構による。
×(5) 体温の日内変動は、日中が最も高い。

解答  (3)
×(1) 急性炎症では、血管透過性は上昇する。
×(2) 慢性炎症でみられる浸潤細胞は、主にリンパ球である。
(3) 組織の修復過程で、肉芽組織は形成される。
×(4) 悪性腫瘍と比べて良性腫瘍は、細胞の分化度が低い。
×(5) 肉腫は、非上皮性の悪性腫瘍である。

解答  (4)
×(1) C反応性たんぱく質(CRP)の血中濃度は、炎症があると上昇する。
×(2) 血中尿素窒素は、たんぱく質の異化亢進で上昇する。
×(3) 胆道が閉塞すると、血中で直接ビリルビンが優位的に増加する。
(4) 臓器移植では、ヒト白血球型抗原(HLA)の適合を判定する。
×(5) 75 g 経口ブドウ糖負荷試験は、糖尿病を判定するために行う。

解答  (4)
×(1) 胃がんに対する胃全摘は、根治療法である。
×(2) がん性痛に対するモルヒネ投与は、緩和療法である。
×(3) C 型肝炎に対する抗ウイルス療法は、原因療法である。
(4) 急性胆嚢炎に対する胆嚢摘出は、手術療法である。
×(5) 発熱に対する解熱鎮痛薬の投与は、対症療法である。

解答  (4)
×(1) 糖原病I型では、低血糖性の昏睡を生じやすい。
×(2) フェニルケトン尿症では、フェニルアラニンが体内に蓄積される。
×(3) ホモシスチン尿症では、ホモシステインとメチオニンが体内に蓄積される。
(4) メープルシロップ尿症では、分枝アミノ酸の摂取制限が行われる。
×(5) ガラクトース血症では、乳糖除去ミルクを使用する。

解答  (5)
×(1) 食道は、気管の背側を通る。
×(2) 胃底部は、胃体部よりも噴門側にある。
×(3) 十二指腸には、腸間膜が付着しない。
×(4) 回腸は、十二指腸と空腸の間にあり、空腸は、十二指腸と回腸の間にある。
(5) S 状結腸は、下行結腸と直腸の間にある。

解答  (4)
×(1) 食道がんのリスク因子は喫煙や飲酒で、アスベストがリスク因子となるものは、肺線維症・悪性中皮腫・肺がんである。
×(2) 胃がんのリスク因子はピロリ菌感染・食塩過多・喫煙で、アフラトキシンがリスク因子となるものは、肝細胞癌である。
×(3) 肝細胞がんのリスク因子は、ウイルス肝炎で、ヒトパピローマウイルスがリスク因子となるものは子宮頸がんである。
(4) 膵がん   ー 喫煙
×(5) EBウイルスがリスク因子となるものは飲酒・食事の欧米化である。

解答  (4)
×(1) 心臓血管中枢は、間脳にある。
×(2) 三尖弁は、右心室と右心房の間にある。
×(3) 洞房結節は、右心房にある。
(4) 静脈の容量は、動脈の容量より大きい。
×(5) 心電図のQRS波は心室の興奮を示し、P波は心房の興奮を示す。

解答  (1)
(1) レニン分泌の増加は、血圧を上昇させる。
×(2) 副交感神経の興奮は血圧を低下させ、交感神経の興奮は血圧を上昇させる。
×(3) 孤立性収縮期高血圧は、高齢者に多い。
×(4) 仮面高血圧は、家庭血圧が高血圧で、診察室血圧が正常であるものをいう。
×(5) 本態性高血圧よりも二次性高血圧は、患者数が少ない。

解答  (5)
×(1) 糸球体を流れる血液は、動脈血である。
×(2) 糸球体は、ボーマン嚢の中にある。
×(3) 尿管は、腎盂から膀胱までの尿路である。
×(4) 原尿は、ボーマン嚢に溜まる尿である。
(5) 尿の浸透圧の変動は、血漿の浸透圧の変動より大きい。

解答  (2)
×(1) 成長ホルモン   ー 下垂体前葉
(2) オキシトシン   ー 下垂体後葉
×(3) プロラクチン   ー 下垂体前葉
×(4) ノルアドレナリン ー 副腎髄質
×(5) アルドステロン  ー 副腎皮質

解答  (4)
×(1) クッシング症候群では中心性肥満・満月様顔貌・水牛様脂肪沈着がみられ、低カルシウム血症ではテタニーがみられる。
×(2) 甲状腺機能亢進症では、体温上昇がみられ、甲状腺機能低下症では、低体温がみられる。
×(3) 褐色細胞腫では、高血糖がみられる。
(4) アジソン病では、血中コルチゾールの低下がみられる。
×(5) 尿崩症では、低張尿・多尿がみられる。

解答  (2)
×(1) 脳神経である。
(2) 副交感神経線維を含む。
×(3) 興奮により、胃酸分泌が促進される。
×(4) 興奮により、心拍数が低下する。
×(5) 興奮により、胆嚢が収縮し、胆汁放出する。

解答  (5)
×(1) 右肺は、3 葉からなる。
×(2) 肺静脈には動脈血が流れており、肺動脈には静脈血が流れている。
×(3) 肺胞で行われるガス交換を外呼吸といい、組織内の細胞で行われるガス交換を内呼吸という。
×(4) 動脈血の酸素飽和度は、約 96%以上 である。
(5) ヘモグロビンの酸素解離曲線は、血液 pH が低下すると右方向に移動する。

解答  (5)
×(1) 腰椎は、5個である。
×(2) 舌運動は、舌下神経支配である。
×(3) 筋は、三叉神経支配である。 咬筋と側頭筋、内側翼突筋、外側翼突筋からなる咀嚼筋はいずれも三叉神経に支配される
×(4) 筋が収縮する際は、筋小胞体からカルシウムイオンが放出される。
(5) 筋収縮のエネルギーは、ATP の分解による。

解答  (4)
×(1) 妊娠 0 週 0 日は、最終月経の開始日である。
×(2) ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)は、黄体の機能を促進させる。
×(3) インスリンは、母体から胎児へ移行しない。
(4) オキシトシンは、子宮筋を収縮させる。
×(5) プロラクチンは乳腺発育・乳汁産生を起こし、オキシトシンは射乳を起こす。

解答  (5)
×(1) 赤血球は、中央がくぼんだ円盤状の構造をもつ。
×(2) ABO 血液型が O 型の場合、赤血球の表面には A 抗原と B 抗原のどちらも発現しないが、ABO 血液型がAB型の場合、赤血球の表面には A 抗原と B 抗原が発現している。
×(3) 赤血球の寿命は、約 120日である。
×(4) 網赤血球は、成熟赤血球になる1段階前の幼若な赤血球である。
(5) 低酸素環境下で、赤血球数は増加する。

解答  (5)
×(1) 血友病では、プロトロンビン時間(PT)が短縮せずに、正常である。
×(2) 再生不良性貧血では、骨髄が造血幹細胞減少により、低形成を示す。
×(3) 悪性貧血では、内因子の作用が減退する。
×(4) 鉄欠乏性貧血では、総鉄結合能(TIBC)がトランスフェリン増加により、上昇する。
(5) 播種性血管内凝固症候群(DIC)では、フィブリン分解産物(FDP)が増加する。

解答  (1)
(1) 唾液は、分泌型 IgA を含む。
×(2) B細胞は、骨髄で成熟し、T細胞は胸腺で成熟する。
×(3) B細胞から分化した形質細胞は、免疫グロブリンを産生する。
×(4) アナフィラキシーショックは、 IgE が関与する。
×(5) ワクチン接種による免疫は能動免疫であり、母乳(初乳)・IgG・血清投与による免疫は受動免疫である。

解答  (5)
×(1) 強皮症         ー 食道蠕動の減退 食道蠕動の減退
×(2) シェーグレン症候群   ー 涙液分泌の減少
×(3) バセドウ病       ー 頻脈
 橋本病           ー 徐脈
×(4) バセドウ病       ー 皮膚の湿潤
   橋本病          ー 皮膚の乾燥
(5) 全身性エリテマトーデス ー 蝶形紅斑

解答  (5)
×(1) ニューモシスチス肺炎は、真菌感染症である。
×(2) ツツガムシ病は、日和見感染症でない。
×(3) 再興感染症は、すでに認知されていた感染症が再び問題になるようになった感染症である。
×(4) 不顕性感染は、感染は成立しているが症状がでない感染症である。
(5) 垂直感染は、母体から児へ伝播する感染様式である。